
原題:African economic growth: The twilight of the resource curse?
右グラフは原文より。
▼ポイント要約▼
②昨年は資源価格が急落した。
③一部の国では通貨安となったが経済への影響は過去に比べ小さいと見られている。
④その理由はアフリカの成長が資源産業だけでなく工業・サービス業へ波及してきていることであり、これは投資環境の改善に支えられている。
▼もう少し詳しく▼
例:1998-1999にかけての鉱物・原油価格の値崩れの際にはナイジェリア通貨ナイラが80%安となる。
②昨年(2014年)には原油価格が半値まで値下がりし、銅や鉄鋼などの鉱物価格も急落したため、これまでと同様にアフリカ経済に悪影響があるかと思われた。
③今回は少なくとも10の国で通貨が10%以上安くなったが、致命的な影響を受けた国は見られなかった。ガーナは対ドルで26%安くなったが、ガーナは他の資源国と比べれば貿易の資源依存度は低く、資源安の影響というよりはGDPの10%に及ぶ財政赤字の影響と考えるべきである。さらに世界銀行のWonks氏は情報通信・運輸・金融等の産業の貢献によって今年サハラ以南のアフリカ経済は5%成長すると推測している。
④資源安がアフリカ諸国の経済にこれまでほど大きな打撃を与えないと投資家や国際機関により考えられている理由は、経済の中で非資源産業の地位が向上してきて いることである。この非資源産業の成長は海外直接投資が下支えしているが、これは政府が自国の投資環境を整備していることにより呼び込まれている。世界銀 行の「ビジネス環境調査2013/2014」によればモーリシャスは投資環境ランキング28位で最適の部類に分類されているし、ルワンダはイタリアよりも投資環境がよいとされている。当然、絶対量としては資源国のほうが非資源国よりも投資を受けているのだが、対GDP比率で見積もると最近では非資源国のほうが多くの投資を受けている。また、資源大国でも非資源産業の重要性は増している。
例:アフリカ最大の経済大国であり原油が豊富なナイジェリアはこの3年5%成長を続けているが、最近は原油生産は停滞しており、この成長は携帯電話・建築・銀行などの産業によりもたらされている。今日ではGDPの60%がサービス産業である。
原文