アフリカまとめ

アフリカニュース、アフリカ経済、アフリカ政治、アフリカ文化、海外ビジネス、開発経済、国際政治などについて記事を書いています。不完全な記事も多く個人的スクラップのようなものが多いですが何かの役に立てば幸いです。

ルワンダ

ガチャチャ裁判

<目的>                                    
ルワンダ大虐殺において虐殺に関わった住民を裁き、虐殺後のルワンダ社会における平和を構築する。

<特徴>                                    
digital-grass002ルワンダ国際戦犯法廷が虐殺を主導した幹部層を裁いたのに対し、ガチャチャ裁判は多数の一般住民を裁いた。通常の司法手続きではとても裁ききれない人数の人々が関わっていたため、現地語でガチャチャ(芝の上の裁判)と呼ばれる伝統的民事裁判方法を応用して共同体内で司法を行った。

<期間>                                    
2005年~2012年5月4日

<結果>                                    
1万2000の法廷が開かれ16万人の判事により200万人が裁かれ、そのうち約65%が有罪判決を受けた。有罪人らには懲役刑・公益労働などが課せられたが、裁判までの拘置期間も懲役期間として数えられたため裁判後すぐに釈放されたものも多くいた。

<問題点>                                   
 
・判事が法律の専門家でなく、読み書きができないこともあった。
・被告側に法律の専門家が与えられなかった。
・RPFの戦争犯罪については触れられなかった。


<参考>
BBC. (2012). Rwanda "gacaca" genocide courts finish work. URL: http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-18490348
武内進一(2008)「ルワンダのガチャチャ—その制度と農村社会にとっての意味—」 武内進一編『戦争と平和の間 —紛争勃発後のアフリカと国際社会—』

【真相?】ルワンダ大虐殺の語られざる物語

file000701156430 ルワンダは1994年に起きた虐殺事件がよく知られています。「ホテル・ルワンダ」「ルワンダの涙」はルワンダの虐殺事件を描いた映画として有名です。この事件について語られてきた典型的なストーリーは「独立後、植民地時代に支配的地位を与えられていたツチ族と代わって権力を得たフツ族の対立が激化→一旦は和平協定が結ばれる→しかし何者かによりフツ族大統領が乗る飛行機が撃墜され大統領死亡→フツ族はこれをツチ族によるものとして報復として虐殺を実行→国際社会は見てみぬふり→100万人が亡くなったといわれるが、ツチ族系のルワンダ愛国戦線(RPF)が首都を奪還し事態は収拾→ルワンダ国際戦犯法廷が開かれる」といったものです。
  しかし、2014年にBBCが放映したドキュメンタリー番組「ルワンダの語られざる物語」では実際に起こったことは違うという見方を示しました。

▼BBCドキュメンタリーの認識▼
①フツ族大統領機撃墜はRPFによる犯行である。
   根拠:当時のフランスの調査
②RPFは虐殺を止めたわけではなく、首都へ進攻中に逆にフツ族を虐殺して回った。
   根拠:アメリカ人研究者アラン・スタム氏らによる臨地調査
        調査によれば虐殺された人々の内訳はツチ族20万人、フツ族80万人。
③RPFが政権を取ったあとも民主主義は定着しておらずカガミ大統領による独裁である。
   根拠:RPF元幹部らキーパーソンの証言
       証言によれば選挙の結果は操作されており、敵対する人物の暗殺も行っている。


 このドキュメンタリーに対してはルワンダ政府から非難され、ルワンダ政府は国内でのBBCでの放映を停止した。(http://www.47news.jp/CN/201410/CN2014102501001065.html



【達見】アフリカ市場の橋頭堡ルワンダ

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 日経ビジネスオンラインより、アフリカ進出拠点としてのルワンダの優位性に関し記事が出ていましたので紹介します(⌒-⌒)
 筆者の方は外資系コンサルティング出身で現在は主としてアフリカ進出に関するコンサルティングを行う会社の代表取締役をされている方で、駐日ルワンダ大使館・JETROの後援を受けルワンダビジネスセミナーを開催されています。
 ルワンダ一国のみならず、アフリカ全体に対する理解が進む必読の達見です。

▼ポイント要約▼
①試験マーケティングのための市場として最適
  ・東アフリカ共同体諸国、サブサハラアフリカ上部の国々と市場環境が相似している。
②地域統括拠点として最適
  ・帰還した離散民を通じた人脈構築が期待できる。
  ・4時間フライト圏内に1兆5千億ドル市場、陸上交通整備も進む。
  ・開放的なビジネス環境と安定した治安がある。

原文
堤夏七子 (2014) 「アフリカ市場の橋頭堡・ルワンダ~虐殺から20年 4時間フライト圏内に1兆5000億ドル市  ルワンダは東アフリカの縮図」 『日経ビジネスオンライン』 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141217/275291/